なぜ、軍事基地の目と鼻の先で旅客機が飛び立つことができるのか。その謎を解き明かす鍵は、かつて実施された巨大な公共工事「岩国飛行場滑走路沖合移設事業」にある。かつての滑走路は市街地に近く、深刻な騒音被害や事故のリスクが長年指摘されていた。これらを解消するため、国土交通省航空局と関係機関が主導し、滑走路を沖合へ約1,000メートル移設する一大事業が敢行されたのだ。
埋め立て工事を経て完成した新滑走路により、騒音は大幅に低減。同時に軍民共用飛行場としての安全な運用基盤が確立された。広大な基地内に駐屯する米海兵隊の航空部隊と民間機が事故なく共存できるのは、このインフラ整備がもたらした最大の成果といえる。