日常点検で漏れ電流が1mAを超過している回路を発見した場合、慌てて設備を停止させるのではなく、論理的な手順で原因箇所を絞り込むことが肝要です。現場で実践すべき切り分けステップを紹介します。
ステップ1:測定器のフィルタ機能でノイズを排除
リーククランプメーターの周波数切替スイッチ(フィルタ機能)をONにし、商用周波数帯(50/60Hz)のみの漏れ電流を確認します。フィルタONで1mA以下に下がる場合は高周波成分(Ioc)が支配的であり、急迫した絶縁劣化の可能性は低くなります。
ステップ2:主幹から分岐へ、系統のステップダウン測定
分電盤の主幹ブレーカーから、各分岐ブレーカーへと順次クランプを移動させます。漏れ電流値が突出して高い特定の分岐回路(子ブレーカー)を特定します。
ステップ3:負荷機器の個別切り離し
異常値を示す分岐回路に接続されている負荷機器の電源プラグを1台ずつ抜き、クランプメーターの数値変化を観察します。特定の機器を外した瞬間に数値が正常(1mA以下)に戻れば、その機器内部の絶縁破壊(ヒーターの劣化、サージキラーのパンク、内部基板の結露など)が原因と特定できます。
ステップ4:配線自体の絶縁抵抗測定(停電点検)
機器をすべて取り外しても配線単体で漏れ電流が流れている場合、電線管路内の浸水、ネズミ等による被覆損傷、経年劣化による絶縁破壊が疑われます。関係各所と調整の上で回路を停電させ、絶縁抵抗計(メガー)を用いて電路と大地間の正確な絶縁抵抗値を測定し、改修工事を手配します。