物語のクライマックスにおけるニワトコの杖の処遇については、原作小説と実写映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の間で最も印象的な改変が行われたポイントです。
映画版では、ハリーが戦いの直後、強大すぎる危険な魔力を断ち切るために杖を自らの手で真っ二つにへし折り、ホグワーツの谷底へ投げ捨てるという視覚的にもわかりやすいドラマチックな演出が採用されました。
一方、原作小説でのハリーは、まずニワトコの杖の奇跡的な修復力を使って自分自身の壊れていた「ヒイラギの杖」を修理します。そして、「自分が天寿を全うして敗北せずに死ねば、ニワトコの杖の魔力は永遠に失われる」と考え、杖を元通りダンブルドアの白い墓の中へと丁重に戻す道を選びました。偉大なる恩師への敬意を払った原作の結末は、より深い情緒と余韻を残す名シーンとして愛されています。