彼女の歩みを振り返る上で欠かせないのが、1990年代から2000年代を代表するメガヒット作『踊る大捜査線』シリーズの恩田すみれ役だ。男社会の警察組織の中で、信念を曲げずに走り続ける凛とした巡査部長の姿は、多くの女性の憧れとなった。コミカルな掛け合いの中にも一本芯の通った演技を刻み込み、国民的人気女優としての地位を不動のものにする。
だが、彼女の真骨頂はそこで終わらない。2010年公開の映画『悪人』では、孤独と情熱に引き裂かれるヒロイン・馬込光代を壮絶な覚悟で熱演。モントリオール世界映画祭での最優秀女優賞受賞に続き、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得した。光と影、日常と狂気の間を行き来するその圧倒的な表現力は、名実ともに日本を代表するトップ女優の証となった。