重要文化的景観に指定されている姨捨の棚田は、かつて「姥捨て山」の伝説とともに語られることもあった。しかし現代においては、先人たちの知恵と自然への敬意が詰まった文化遺産として完全に再解釈されている。行政と地元の保存会が一体となり、無計画な開発を規制しつつ、訪れる人々を受け入れるインフラ整備を丁寧に進めてきた。
景観を損ねない木造の展望テラスや、地域の歴史を学べるガイダンス施設の充実により、観光客の満足度は非常に高い。文化財を「保存して閉ざす」のではなく、「活用して次世代へ継承する」という持続可能なモデルがここで結実している。