デジタルストリーミングの普及とアナログレコードの世界的ブームが交差する2026年、藤圭子の音楽が再び若い世代の間でバイラルヒットを記録している。昭和のヴィンテージな歌謡曲の質感が、かえって新鮮なものとして受け入れられているのだ。
若者たちは、宇多田ヒカルの楽曲のルーツを遡る過程で藤圭子の存在に行き着く。そこで彼らが目にするのは、半世紀以上前につくられたとは思えないほどエッジの効いた、生々しいエモーションだ。時代やジャンルの壁を軽々と飛び越え、母娘の音楽がプレイリスト上で隣り合わせに並ぶ光景は、今の時代ならではの音楽のあり方を示している。