連載初期の『五等分の花嫁』において、読者の視線を瞬く間に釘付けにしたのが中野三玖でした。週刊少年マガジン誌上で行われた第1回公式キャラクター人気投票(2018年実施)において、三玖は総投票数の約30%に迫る2,393票を叩き出し、2位に1,000票近い大差をつけて堂々の首位を獲得しています。
彼女の「かわいい」という直感的な魅力は、単なるビジュアルの良さに留まりません。物語開始当初の三玖は、運動音痴で勉強も苦手、姉妹の中で最も自信を持てない「コンプレックスの塊」として描かれていました。武将好きという歴女の一面を周囲に隠し、自分を卑下していた彼女が、家庭教師として現れた上杉風太郎との出会いを契機に、一歩ずつ殻を破っていく姿が読者の庇護欲と共感を強烈に刺激したのです。
特にファンを悶絶させたのが、ストレートかつ不器用な好意の示し方でした。屋上で風太郎から歴女であることを肯定された瞬間の笑顔、そして「責任取ってよね」という初期の名言セリフは、読者の心を一撃で撃ち抜きました。駆け引きを知らない彼女が、ライバルである姉妹たちに気圧されながらも、必死に自分の気持ちを伝えようと手を伸ばす——その愚直なまでの成長譚こそが、三玖を単なる萌え記号から「応援せずにはいられない等身大のヒロイン」へと押し上げた原動力です。