彼の芸を語る上で欠かせないのが、師匠であるマギー司郎の存在だ。二人の間に流れる空気感は、旧態依然とした厳しい師弟関係というよりも、深い信頼と敬意で結ばれた家族のそれに近い。弟子入り志願の際のエピソードは今や伝説的だが、師匠から受け継いだ最大の財産は小手先の技ではなく、「お客さんを威圧しない」という芸人としての哲学そのものだった。
日本テレビ放送網の看板演芸番組『笑点』での師弟共演は、演芸ファンにとって至福の瞬間として語り継がれている。師匠のゆるやかなボケに対し、絶妙なトーンでツッコミを入れつつ自らも巻き込まれていく審司の姿。完璧なマジックで圧倒するのではなく、人間味で包み込むスタイルの原点が、この師弟の交歓の中に凝縮されていたのだ。