本作を語る上で絶対に外せないのが、広島県尾道市の造船所跡地に建設された実物大ロケセットの存在だ。全長263メートルに及ぶ巨艦の前半部分、約190メートルを総工費約6億円かけて忠実に再現。巨大な主砲塔や対空機銃がずらりと並ぶ甲板は、CG全盛の時代にあって驚異的な実在感を放っていた。
現場に足を踏み入れたキャスト陣は、冷たい鉄板の感触や吹き抜ける潮風を肌で感じながら撮影に挑んだ。美術スタッフが細部までこだわり抜いたディテールは、演技を超えた本物の緊張感を現場にもたらした。撮影終了後に一般公開されたセットには100万人を超える見学者が押し寄せ、映画の枠を超えた社会現象となったことも当時の熱狂を物語っている。