日本の情報通信業を牽引する巨大プラットフォーム企業、LINEヤフー株式会社。同社が展開するLINEは、単なる連絡ツールを超えて社会のインフラストラクチャーとしての地位を確立した。その中心に位置する「既読」機能は、東日本大震災の発生時に「相手がメッセージを読んだかどうかを素早く確認し、安否を把握する」という目的から実装された歴史を持つ。
しかし、日常のコミュニケーションツールとして浸透するにつれ、この「既読」の存在がユーザー間の心理的ストレスを生み出す要因ともなってきた。「既読無視(既読スルー)」という言葉に象徴されるように、即座に返信しなければ相手に失礼にあたるという同調圧力が発生したためだ。開発側が意図した防災・安全確認のツールと、ユーザーが求めるストレスフリーな会話の間で揺れ動く中、プレビュー表示を通じた閲覧手法はユーザー自らが編み出した一種の知恵と言えるだろう。