「なんJ」の文脈を語る上で欠かせないのが、プロ野球選手や監督を題材にした架空のストーリー、通称「カセット」や「コピペ」文化だ。実在の人物を極端にデフォルメし、シュールでダークな笑いに昇華させる手法は、この掲示板で一気に花開いた。
その代表格が、読売ジャイアンツや北海道日本ハムファイターズで活躍した凄腕打者・小笠原道大をモチーフにした一連のパロディ文脈である。実際のグラウンドでの硬派で紳士的な姿とは真逆の、「北のサムライ」という愛称を歪めた破天荒で怪しいキャラクター像が勝手に作り上げられ、連日のように創作文章が投稿された。
また、巨人の名将として知られる原辰徳に関しても、独特の表情やタクトの振り方が格好のネタとされ、試合展開に応じた喜怒哀楽のAA(アスキーアート)や大喜利が数多く生み出された。野球漫画の金字塔である『MAJOR』の展開に対するツッコミから、日々の打順予想、采配批判に至るまで、野球にまつわるあらゆる要素がエンターテインメントの素材として消費されていったのである。