南海ホークスの象徴といえば、誰もが思い浮かべるのがあの深みのあるグリーンだ。だが、最初期からあのダークグリーンが定着していたわけではない。戦後の混乱期を経て、チームを常勝軍団へと育て上げた名将・鶴岡一人の指揮のもと、チームカラーは徐々に研ぎ澄まされていった。
鉄道会社としての誇りと、グリフィンのごとく力強く羽ばたく鷹のイメージ。南海電気鉄道の車両にも用いられた格式高いグリーンは、過酷なペナントレースを戦い抜く男たちの鎧となった。当時のウールフランネル生地は重厚で、汗と土にまみれるほどに凄みを増したという。難波の街にそびえる本拠地に集った観衆の目に、グラウンドを駆ける深緑の戦士たちはまさに時代のヒーローとして焼き付いたのである。