楽器店に並ぶ姿を一目見ただけでは、初心者にとって両者の区別はつきにくいかもしれません。しかし、両者には明確な物理的スペックと機能の差が存在します。
最大の外見上の違いはエレキベースとエレキギターの見分け方に直結するネックの長さと弦の太さです。一般的なエレキギターのスケール長(ブリッジからナットまでの弦長)が約24.75〜25.5インチ(約628〜648mm)であるのに対し、標準的なエレキベース(ロングスケール)は約34インチ(約864mm)にも達します。ネックはベースの方が約20cm以上長く、フレットの間隔も広大です。
さらにベースとギター弦の数の違いも見分けの決定打となります。一般的なギターは6本の弦が張られていますが、標準的なベースは4本です(※近年は表現の幅を広げた5弦ベースや7弦ギターなども普及していますが、基本形は4本と6本です)。弦の太さも桁違いで、ギターの最も太い6弦(約1.1mm)よりも、ベースの最も細い1弦(約1.14mm)の方が太い設計になっています。
ベースとギターの音域とチューニングの違いにも明確なルールがあります。レギュラーチューニングにおいて、ギターは細い1弦から順に「E・B・G・D・A・E」、ベースは「G・D・A・E」に調律します。注目すべきは、ベースの開放弦の音階がギターの太い弦4本(3弦〜6弦)と全く同じ並びになっている点です。ただし、ベースの音域はギターのちょうど1オクターブ下(周波数帯域でいえばギターの開放6弦E2が約82Hz、ベースの開放4弦E1は約41Hz)に設定されており、人間の胸骨や下腹部を物理的に揺らす重低音を生み出す構造になっています。