料理の真髄は、味覚の基本である「甘・酸・辛・苦・渋」の五味に、調理人の「真心」を加えた「六味」にある。店名に刻まれたこの理念は、提供される料理の一皿ひとさらに息づいている。名物の出汁おでんは、澄み切った黄金色のスープが自慢だ。一口含んだ瞬間に広がる深い旨味は、すっきりとした辛口の日本酒と互いを引き立て合う。
「出汁の余韻があるうちに、温めた純米酒を流し込む。この瞬間がたまらない」。常連客のひとりはグラスを傾けながら顔をほころばせる。単に酒を飲む場所ではなく、食材と酒の組み合わせが生み出す「相乗効果」を堪能する場所。それがこの店を唯一無二の存在に仕立て上げている。