妊娠を継続できない、あるいは母体の健康上継続が極めて困難であると判断された場合、日本の法律において人工妊娠中絶を選択することになります。ここで最も強く意識しなければならないのが、日本の「母体保護法」に定められた厳格な期限です。
日本の現行法規において、人工妊娠中絶が可能な時期は「妊娠21週6日(妊娠22週未満)」までと定められています。妊娠22週0日以降は、どのような理由があろうとも中絶手術を行うことは法的に一切認められません。
ここで注意すべきは、「妊娠週数の数え方」です。医学的な妊娠週数は、最後にあった生理の初日を「妊娠0週0日」とカウントします。「妊娠に気づいた日」から数えるわけではありません。閉経の勘違いで受診が遅れ、産婦人科を初めて受診した段階ですでに妊娠15週や18週に達していたというケースは実際に存在します。意思決定の猶予は、想像以上に残されていないのです。
また、手術の時期によって身体的負担と費用相場は大きく変わります。
- 初期中絶手術(妊娠11週6日まで):子宮内容除去術(吸引法または掻爬法)が用いられ、日帰り〜1泊程度で完了します。費用相場は概ね10万〜20万円程度(全額自己負担)です。
- 中期中絶手術(妊娠12週0日〜21週6日):人工的に陣痛を起こして分娩形式で胎児を出産(死産)させる形をとるため、数日間の入院を要します。費用相場は30万〜60万円程度と高額になります。また、役所への死産届の提出や埋葬許可証の手続きが必要となり、精神的な負担も計り知れません(※妊娠12週以降の中絶分娩は、健康保険から出産育児一時金の支給対象となります)。
50代 中絶 費用は、週数だけでなく母体の持病や麻酔管理のリスクによっても変動します。高齢であるほど術中の大量出血や子宮穿孔のリスクを避けるための高度な医療管理が求められるため、一般的なクリニックではなく総合病院での対応となるケースも珍しくありません。