火のない所に煙は立たないと言われるように、なぜモゾワンダーシティ名古屋西区がこれほどまでに事件の噂の標的になりやすいのか。そこには、都市型メガモールならではの建築的・立地的な構造課題が関係しています。
第一の盲点は、敷地の広大さと人の流動性が生み出す死角です。敷地面積約10万平方メートルを超える広大なフィールドには、立体駐車場の上層階、非常階段、大型トイレの通路など、視線が行き届きにくいエリアが必然的に生じます。これらは万引き犯の逃走経路や、盗撮などの迷惑行為が企図されやすいポイントとなり、警備側の警戒密度を極限まで高めざるを得ない構造的特徴を持っています。
第二の盲点は、名鉄犬山線・地下鉄鶴舞線が乗り入れる上小田井駅から徒歩約5分という交通結節点にある点です。広域から不特定多数の若年層や遠方からの来訪者が流入するため、地域密着型の小型スーパーに比べてトラブルの発生母数そのものが大きくなります。警察出動の絶対件数が一定数に達するのは、施設規模から見れば統計的に自然な帰結ですが、それが「危険な施設」という誤認を招く土壌となっているのです。