かつて熱海の娯楽を牽引した映画館「ロマンス座」。その閉館から長い年月を経て、かつての賑わいは形を変えて蘇った。コンクリートの質感と、どこか懐かしい木製家具が調和する空間は、訪れる者に強烈な印象を与える。単なる懐古趣味ではない。現代の洗練されたデザインセンスが融合した「ネオ・ノスタルジー」が、ここには息づいている。
壁一面に飾られた古い映画のポスターや、レコードから流れる雑音混じりの音楽。それらすべてが、計算された演出でありながら、驚くほど自然に空間に溶け込んでいる。ここを訪れたある大学生は「教科書でしか知らない昭和が、ここには生きていて、それが新鮮に映る」と語る。