映画を観た多くのファンが「あのレトロでノスタルジックな喫茶店に実際に行ってみたい」と検索しますが、劇中に登場する喫茶店「フニクリフニクラ」は実在する店舗ではありません。
報道各社のメイキング取材資料によると、この喫茶店は東宝スタジオの巨大ステージ内に組まれた完全オリジナルの美術セットです。塚原あゆ子監督と美術チームは、時間の経過や物語の幻想的な雰囲気を表現するため、以下の点に極限までこだわってセットを構築しました。
- 光の演出:地下に位置する喫茶店でありながら、壁面のステンドグラスやランプの灯りを通じて、過去や未来へと移り変わる情緒的なライティングを設計。
- エイジング加工:昭和レトロと西洋アンティークが調和した空間を作るため、柱やカウンター、革張りのソファに至るまで徹底的な質感調整を実施。
- 時計のギミック:店内に飾られた3つの大時計はそれぞれ異なる針の動きを見せ、「時間の歪み」を視覚的に暗示。
特定のロケ地カフェが存在しないにもかかわらず、観客に「どこかの路地裏に実在するのではないか」と錯覚させるほどのリアルな空気感こそが、本作の世界観を支える強固な土台となっています。