「病院へ行く時間がないから、ドラッグストアでマイザー軟膏と同じ強さの市販薬を買いたい」――この要望は、オンライン相談掲示板や薬局店頭で後を絶ちません。しかし、結論から言えば、マイザー軟膏と同等の強さを持つ市販薬は日本国内には一切存在しません。
日本の薬機法およびOTC医薬品の承認基準において、ドラッグストア等で一般用医薬品として販売が許可されている外用ステロイドの最高上限は第3群(ストロング群)までと法的に定められています。市販されている代表例としては、ベトネベートN軟膏AS、フルコートf、セロナなどが挙げられます。これらは第3群(リンデロン-V相当)であり、第2群(ベリーストロング)であるマイザー軟膏やアンテベート軟膏がOTC化されることは、副作用被害を防ぐ公衆衛生上の観点から認められていません。
ネット上のコミュニティやSNSを精査すると、この事実を知らない一般生活者による危うい行動実態が浮き彫りになります。
「以前、背中の酷い肌荒れでマイザー軟膏をもらったのを思い出し、鼻の周りの赤い吹き出物に塗ったら翌日真っ赤に腫れ上がり、皮膚科で酒さ様皮膚炎と診断されて大泣きした」(30代女性・SNS投稿より要約)
「家族が余らせていたマイザーを子どものアセモに安易に塗っていたら、薬局の薬剤師に『乳幼児に使う強さではない』と本気で怒られて血の気が引いた」(20代父親・ネット掲示板相談より要約)
家庭内の薬箱に眠っていたマイザー軟膏を、自己判断で別部位や家族へ流用するトラブルは、外用薬事故の典型例です。マイザー軟膏の持つシャープな切れ味は、あくまで医師の的確な皮膚診断と部位別のリスク計算があって初めて安全に機能します。