インターネット掲示板やSNSでは「公務員は安月給でやっていけない」「転職したい」という若手職員の投稿が後を絶ちません。なぜ民間平均を上回る待遇でありながら、これほどまでに不満が噴出するのでしょうか。ここには、地方公務員が安月給と言われる真相を象徴する3つの構造的障壁が存在します。
第1に、控除項目の重さと初任給の手取り額の薄さです。新卒採用された職員の手記や現場ヒアリング取材では、次のような生々しい証言が寄せられています。
「地方創生に貢献したいと意気込んで県庁に入庁しましたが、2年目の6月に明細を見て愕然としました。住民税と共済組合費が引かれ、月の手取り額は16万7千円。地方都市は車が必須のため、維持費と家賃を払うと貯金はゼロに近い。民間のメガバンクや大手SIerに進んだ大学同期との飲み会では、ボーナスの額の差に劣等感を覚えます」(関東圏・県庁勤務 26歳・男性)
第2に、サービス残業と時間外勤務手当の予算上限です。多くの自治体では部署ごとに時間外手当の年間総枠(予算)が設定されており、災害対応や議会対応、選挙事務などの突発業務を除き、日常的な超過勤務を全額申請しづらい職場風土が一部に残存しています。「申請できる上限が月20時間と暗黙の了解があり、実働40時間を超えた分は事実上の無給奉公」という現場の声は少なくありません。
第3に、厳格な副業禁止規定(地方公務員法第38条)です。民間企業で副業による収入補填やスキル習得が一般化するなか、公務員は小規模な農業や一定規模以下の不動産賃貸などを除き、営利企業への従事が原則認められません。どれだけ生活が逼迫していても、個人の労働力で手取りを増やす自衛手段が法的に封殺されている点が、若手の閉塞感を加速させています。