ネット上の一部では「過激な露出で話題を作っているだけではないか」「特典商法による数字のかさ上げではないか」という冷ややかな憶測も見受けられます。しかし、出版流通の現場と実態データを精査すると、そうした見方が一面的な誤解に過ぎないことが浮き彫りになります。
第一の誤解は「特典目当ての複数買いが売上の大半を占めている」という言説です。確かに限定ポストカードやオンラインサイン会応募券などの購入特典は設定されていましたが、彼女の作品が特筆すべきは「発売から半年以上経過しても売れ続ける持続性」にあります。熱狂的ファンによる初動の買い支えだけでは、7度を超える重版や年単位のランキング推移は不可能です。
第二の盲点は、電子書籍市場における異例の浸透率です。通常、グラビア写真集の電子版比率は全体の2〜3割程度に留まることが多い中、『ramus』および『flos』は電子版の比率が極めて高く推移しています。これは「紙の本を自宅の本棚に置くのは家族の目が気になるが、タブレットやスマートフォンでじっくり鑑賞したい」というライト層や女性層の心理的ハードルを完璧に取り払った結果です。未公開カットを収録したデジタル特別版の投入など、プラットフォーム特性に合わせた講談社の緻密なデジタルシフトが成功を後押ししました。