岩手・大槌「ホテルはまぎく」の現在|皇室の絆と奇跡の復興の全貌

岩手・大槌「ホテルはまぎく」の現在|皇室の絆と奇跡の復興の全貌

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浪板観光ホテルから「はまぎく」への再生の真相には、報道の断片だけでは汲み尽くせない現場の壮絶な戦いがありました。2011年3月11日、三陸沖を震源とする大地震とそれに続く大津波は、風光明媚だった浪板海岸を一変させました。ホテルは本館の低層部を激流にえぐり取られ、周囲の集落も壊滅的な被害を受けました。

被災直後は避難所としての役割を果たしながらも、事業の継続は絶望視されていました。海岸線の侵食や建物の構造的ダメージ、そして何より膨大な負債と再建資金の壁が立ちはだかったためです。しかし、経営陣と従業員を奮い立たせたのは、全国の常連客から届いた「もう一度あの海を見に行きたい」「絶対に諦めないでほしい」という無数の手紙と、御所から寄せられた温かな祈りでした。

ホテルはまぎくの復興経緯を辿ると、2013年8月、震災から約2年5カ月の歳月を経て、館名を「三陸花ホテルはまぎく」へと改称して念願のプレオープンを果たします。皇室との縁を結んだ野菊の名を冠した新ホテルは、耐震補強と最新の防災機能を備えつつ、海側の景観を最大限に生かした設計へと生まれ変わりました。被災という悲劇を乗り越え、地域の雇用と活気を取り戻すランドマークとして再生した歩みは、三陸の観光復興における代表的な成功事例として高く評価されています。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。