初めて訪れた多くの人が驚くのは、丼から漂う芳醇な香りと、漆黒のスープがもたらす「心地よい裏切り」です。ここでは、名物メニューの細部と調理設計に迫ります。
看板商品である「極太中華そば」(税込980円)のスープを観察すると、濃口醤油由来の深い黒みが特徴的ですが、レンゲで口に運んだ瞬間に広がるのは、丁寧に抽出された鶏清湯の清らかなコクです。たむらラーメンのスープのこだわりは、強烈な醤油感で押すのではなく、鶏の豊かな旨味を土台に置き、魚介のほのかな風味と熟成醤油のまろやかな甘みを重ね合わせる点にあります。脂っこさを感じさせない軽やかな飲み口でありながら、後味にはどっしりとした余韻が残ります。
このスープをしっかりと受け止めるのが、うどんを彷彿とさせるモチモチとした極太麺です。力強いコシを持ちながらも硬すぎず、表面が滑らかに仕上がっているため、黒いスープをしっかりとまといながら喉を通っていきます。トッピングには、脂の甘みが際立つ豚バラチャーシューと、肉本来の旨味を噛み締める刻み肩ロースの2種が贅沢に配され、ザク切りにされた青ネギの清涼感が絶妙なアクセントを演出します。夏季に提供される「冷やし極太中華そば」など、限定麺においても鶏清湯のキレを極限まで引き出した構成となっており、たむらラーメンのおすすめメニューとして年間を通じてファンの舌を楽しませています。