ネット上の掲示板やSNS、知恵袋などを観察していると、地方百貨店の催事に関して少なからず見受けられるのが「催事の価格はネット通販に比べて割高ではないか」「どうせ行列ができるだけで味はどこも同じではないか」という冷ややかな見解です。しかし、この評判と百貨店催事の現場実態の間には決定的なギャップが存在します。
第一の誤解である価格差について、百貨店の催事バイヤーが招聘する店舗の多くは、現地直営店と同じ価格設定、あるいは実演調理の手間を考慮した適正レートを維持しています。通販で購入した場合に発生する「クール便送料(1,200円〜1,800円前後)」を合算して冷静に計算すれば、催事会場で1点から直接買い付けるほうがトータルコストにおいて有利になるケースが圧倒的多数を占めます。
第二の盲点は、「地下1階食料品フロアとの連携」です。多くの来場者は7階催会場だけを目的に足を運びがちですが、敏腕な催事ウォッチャーは必ず地階(デパ地下)を併せて巡回します。実は大型物産展の開催期間中、地下食品フロアでも連動した地方銘菓の特別販売や、愛媛県内の人気パティスリーとのコラボ企画がひっそりと展開されていることが珍しくありません。7階が混雑で身動きが取れない場合でも、地下フロアであればスムーズに限定グルメを入手できるという裏ルートは、地元常連客の間で共有されている実践的な知恵です。