本作の代名詞となった名言「承知しました」「それは業務命令でしょうか」。この極限まで削ぎ落とされたセリフ回しは、脚本家・遊川和彦氏の緻密な計算から生まれました。
遊川氏は、過剰な説明ゼリフを徹底して排除し、言葉のトーンと視線の動きだけで感情を語らせる演出を意図。松嶋菜々子に対しても「絶対にまばたきを減らし、声のトーンを一定に保つ」という徹底した演技指導が行われたといいます。また、常に持ち歩いていた大きなドクターズバッグやダウンジャケット、キャップという特徴的なビジュアルも、キャラクターのミステリアスさを際立たせる象徴となりました。
最高視聴率40%を記録したことで、当時は映画化やシーズン2といった続編を望む声が殺到しました。しかし、制作サイドと遊川氏は「ミタが笑顔を取り戻した時点でこの物語は完全に完結している」として、あえて続編を作らない選択を取りました。この潔い幕引きこそが、10年以上が経過した今も色褪せない名作たる所以です。