サイ・ヤング賞の選考は、監督や選手の投票ではなく、全米野球記者協会(BBWAA)に所属する記者による厳格な投票によって決定されます。レギュラーシーズン終了直前、ポストシーズンが開幕する前に投票が締め切られるため、ポストシーズンの活躍やプレーオフの勝敗は一切加味されません。
投票は各球団の本拠地都市から選出された記者2名ずつ(各リーグ30名、計60名)が担当します。記者は1位から5位までの投手を順位付けして投票し、以下の加点方式で総ポイントを算出します。
- 1位票:7ポイント
- 2位票:4ポイント
- 3位票:3ポイント
- 4位票:2ポイント
- 5位票:1ポイント
かつては「最多勝」をはじめとする勝ち星の多さが選考を大きく左右していました。しかし2010年にわずか13勝(防御率2.24)のフェリックス・ヘルナンデスが受賞したことを契機に、投票基準は劇的に変化しました。現代のMLBでは、打線の援護や救援陣の出来に左右される勝利数よりも、防御率(ERA)、奪三振数、WHIP(1イニングあたりの与四球・被安打数)、FIP(守備力に依存しない防御率指標)、WAR(勝率への貢献度)といったセイバーメトリクス指標が最優先される傾向が定着しています。