タイガースの歴史を俯瞰すると、直接優勝トロフィーを掲げられなかった指揮官たちの「土台作り」が、後の黄金期を決定づけていることが分かります。
1990年代後半の暗黒時代に就任した野村克也は、3年連続最下位という結果に終わったものの、選手たちの意識を劇的に変えました。足を使った野球へのシフト、配球のセオリー、そしてドラフトでの赤星憲広の獲得など、野村が撒いた種は星野政権での大輪の花となって開花しました。
また、2016年から指揮を執った金本知憲の「超変革」は、痛みを伴う組織改革でした。ベテラン偏重だった体制を改め、周囲の反対を押し切って大山悠輔をドラフト1位指名し、4番打者として徹底的に育成。坂本誠志郎や青柳晃洋らを抜擢し続けた我慢の采配こそが、2023年のアレ(A.R.E.)達成へと繋がる決定的なピースとなったのです。