大手ソーシャルメディアや闘病ブログ、当事者コミュニティの投稿を追跡調査すると、がん告知を受けた患者たちが異口同音に語る「痛恨の初動ミス」が浮かび上がってきます。
公立病院の消化器内科でステージ3の大腸がんと診断された50代会社員男性の手記には、次のような生の告白が綴られています。「健康診断の検診結果で便潜血陽性と出たが、昔から痔持ちだったため『また切れたか』と引き出しに結果用紙をしまい込んだ。妻に受診を促されても『忙しい』『大腸カメラの前処置の下剤が辛いと聞く』と理由をつけて1年半放置した。そのうち便が鉛筆ほどに細くなり、ある日真っ白な粘液と黒っぽい血糊が混ざった便が出て、慌てて病院へ駆け込んだときにはすでにリンパ節に転移していた。なぜ最初の判定が出たときに受診しなかったのかと、病床で壁を叩くほど後悔した」。
また、X(旧Twitter)やYahoo!知恵袋などの掲示板でも、「ティッシュに血がついたらすぐ病院へ行くべきか」「茶色い便の端っこにケチャップのような赤い筋がついている」といった相談が毎日何十件も投稿されています。しかし、その多くが「私も同じ症状でしたが痔でしたよ!」という素人同士の無責任な励ましに安堵し、受診を先送りにしてしまっているのが実情です。現場の消化器内科医師は「『血便=痔の確率が高い』という統計的真実が、命取りになるタイプのリスク認知の歪みを生んでいる」と警鐘を鳴らし続けています。