Q1:野生ヒグマの年齢はどうやって調べるのですか?外見だけで判断できますか?
A1:外見だけで正確な年齢を判別することは不可能です。体格や毛並みはおおよその成獣・若齢の目安にしかなりません。学術調査や駆除個体の年齢査定では、臼歯(特に第1前臼歯)を抜き取り、骨の断面に見られる「セメント質年輪」を顕微鏡で観察する手法が用いられます。樹木の年輪と同様に、冬眠期などに形成される年輪線を数えることで、年単位の正確な年齢が特定されます。
Q2:冬眠中にそのまま目を覚まさず死亡するヒグマは多いのでしょうか?
A2:少なくありません。特に前年の秋に凶作で脂肪を十分に蓄えられなかった個体や、寄生虫・内臓疾患を抱えていた個体は、越冬中に体脂肪を使い果たして低体温症や代謝不全に陥り、冬眠穴の中で死亡します。春になっても穴から出てこない個体や、残雪期に穴の付近で倒れて息絶えている個体がフィールド調査で定期的に確認されています。
Q3:オスとメスで平均寿命に差が出る最大の理由は何ですか?
A3:最大の理由は「行動圏の広さ」と「繁殖を巡る闘争」です。オスの行動範囲はメスの数倍から10倍以上に及ぶため、他のオスとの命がけの縄張り争いや、道路横断時の交通事故、農地・集落への接近に伴う有害捕殺に遭遇する頻度がメスより圧倒的に高くなります。危険に身を晒す頻度の差が、オスの平均寿命をメスより数年短くする決定打となっています。