投資コミュニティや掲示板などで時折見られる「配当金が全く出ない」「期待外れだ」というネガティブな口コミの背景には、投資信託の分配設計に対する基本的な理解不足と、設定初期の運用プロセスが関係しています。
公の運用報告資料や信託約款を精査すると明記されている通り、投資信託の分配金は「あらかじめ一定の額の支払いを保証するもの」ではありません。特にファンド設定直後や急激な相場変動期には、信託財産の成長を優先して分配金が見送られる(0円となる)ケースが存在します。これが一部の個人投資家の間で「配当が出ないファンド」として尾ひれがついて拡散されたのが噂の真相です。
投資家が冷静に見極めるべき具体的なデメリットは以下の3点に集約されます。
第1に、年1回決算型との複利効果の差です。分配金を受け取るたびに、本来なら元本に組み入れられて雪だるま式に増えるはずの運用原資がファンド外へ流出します。新NISAの非課税枠内であっても、枠の再利用には翌年まで待つ必要が生じるため、長期的な資産最大化という観点では年1回決算型(自動再投資)に明確なビハインドを背負います。
第2に、為替ヘッジなしによる為替変動リスクです。基準価額は米国の株価だけでなくドル円相場に直結しています。円高局面では、現地の株価が上昇していても円建ての基準価額が押し下げられ、実質的な目減りを感じる局面が避けられません。
第3に、テクノロジー株の比率低下に伴う上昇相場での出遅れです。25年以上の連続増配を条件とするため、近年の米国株市場を牽引してきた「マグニフィセント・セブン」をはじめとする急成長ハイテク銘柄の多くが指数に含まれません。グロース主導の上昇相場においては、S&P500総合指数に対してリターンで劣後しやすい構造的特性を抱えています。