現地を訪れたファンや実走した選手たちの証言を総合すると、伊東温泉競輪場には「数字に表れにくい環境要因」が存在します。標高約100mの小高い山の中腹を切り開いて造られた施設であるため、周辺の山林と相模湾からの海風が複雑な気流を発生させます。
バンクの開口部から吹き込む風は、日中はバック側で向かい風、ホーム側で追い風になるケースが目立ちます。この場合、最終バックで仕掛ける自力選手に大きな負荷がかかり、番手選手が差しやすくなります。反対に、夕方から夜間にかけて開催される伊東温泉競輪ミッドナイトやナイター競走では気温の低下とともに風向きが安定し、軽快なスピードバンクへと変貌します。
「昼開催は風を読んで筋違いの穴狙い、夜のミッドナイトはスピード重視のライン決着」という使い分けが、歴戦のファンに共有されている実践的なセオリーです。