劇的な供給バランスの逼迫は、自動車産業全体のビジネスモデルをも揺さぶっている。新車の割り当て枠が限られるなか、トヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」が有力なバイパスルートとして注目を集めているのだ。毎月の定額利用料に任意保険やメンテナンス費用がすべて含まれる手軽さに加え、専用枠による比較的安定した納期設定が富裕層や法人ユーザーを惹きつけている。
その一方で、一般中古車市場では新車価格を軽々と超える「プレミア相場」が定着している。手放す際の残価率の高さは驚異的であり、実質的な減価償却資産としての魅力が、過熱する投機的需要をも呼び込んでいる。車が単なる消費財から、価値を維持し続ける戦略的アセットへとシフトしている証左といえるだろう。