エアコンの暖房効率を左右する最も手軽で強力な設定が風向きです。リモコンの風向きボタンをなんとなく「自動」や「水平」にしているなら、今すぐ見直す必要があります。風向き下向き設定の理由は、物理の原則である「温風の上昇」に逆らって、熱を無理やり床面まで押し届ける必要があるからです。風を真下、あるいは一番下の角度に向けて吹き出させることで、足元からじわじわと温まる理想的な気流が生まれます。
さらに劇的な効果を生むのがサーキュレーター併用効果です。暖房時にサーキュレーターを使う際、多くの人が「風を人に当てる」または「エアコンに向けて送風する」という失敗を犯しています。正しくは、部屋の中央やエアコンの対角線上にサーキュレーターを置き、天井に向けて真上に送風することです。天井に溜まりきった温風を壁伝いに押し下げる気流を作ることで、足元と頭上の温度差が解消され、同じ20度設定でも部屋全体が包み込まれるような暖かさに変化します。
仕上げに欠かせないのが加湿器併用による体感温度向上です。人間の体感温度は湿度に強く依存します。同じ室温20度であっても、湿度が20%のカラカラ状態と、湿度が50%に保たれた状態では、体感温度にしておよそ1〜2度の違いが生まれます。エアコン暖房は室内の空気を取り込んで暖めるため、相対湿度が大幅に低下します。加湿器を使って湿度を40〜60%にキープすれば、設定温度を20度から上げずとも十分に暖かく感じられ、ウイルスの活性化抑制や肌の乾燥予防にもつながります。