戸田パブリックゴルフコースが営業終了・閉鎖へ至った背景には、民間事業者の経営問題ではなく、国政レベルの治水対策事業が存在します。荒川流域は過去幾度となく大規模な水害に見舞われており、首都圏を洪水から守る要衝として治水機能の向上が急務とされてきました。
国土交通省関東地方整備局が管轄する荒川第一調節池周辺および堤防強化プロジェクトにおいて、河川敷の国有地を占有していた施設の統廃合と用地確保が決定。戸田市内の河川敷に位置していた当コースも、河川改修事業の本格化に伴い借地契約の満了および用地の明け渡しを余儀なくされました。
関係者への取材によると、「都心至近でこれほど稼働率の高いパブリックコースを手放すのは苦渋の決断だったが、首都圏全体の水害リスク低減という公益目的の前では致し方なかった」と語られています。長年にわたり愛されたコースの歴史は、都市防災の強化という時代の要請によって幕を下ろすことになりました。