「障害者の性」と一言で括っても、その支援形態は大きく2つに分かれます。1つは、身体機能の障害によって自慰行為が困難な当事者に対し、衛生管理や生理現象の処理として手を差し伸べる自慰介助(射精介助)。もう1つは、健常者と同様に他者とのスキンシップや性的快楽を享受するための障害者向け風俗サービスです。
日本国内で自慰介助の先駆けとして知られるのが、一般社団法人「ホワイトハンズ」です。同団体は医療・福祉の文脈からアプローチし、性風俗のような快楽の提供ではなく、溜まった精液を安全に体外へ排出させる「射精ケア」を提唱してきました。スタッフは看護師や介護資格を持つ専門職を中心に構成され、ゴム手袋を着用した上で機械的・衛生的に射精を促します。そこには性的な演出や過度な接触は一切介在しません。
一方、欧米の一部地域で見られる「セックスボランティア(公的助成や無償奉仕による性的パートナー支援)」については、日本では法整備や国民感情の壁が厚く、公的な制度としては確立されていません。そのため、快楽や性的なコミュニケーションを求める当事者は、民間の障害者専門派遣風俗や、障害に理解を示す個人セラピストに頼らざるを得ないのが2026年現在の実情です。