清少納言は美人だったのか?枕草子と紫式部の酷評から迫る素顔の真実

清少納言は美人だったのか?枕草子と紫式部の酷評から迫る素顔の真実

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外見のコンプレックスを抱えながらも、なぜ清少納言は宮廷中の公達を熱狂させ、主君・藤原定子から誰よりも深く愛されたのでしょうか。そこには、平安時代という特異な恋愛・社会システムが関係しています。

当時の貴族社会では、身分の高い女性は御簾(みす)や几帳の奥に身を隠しており、男性が女性の素顔を白日のもとに目にする機会は滅多にありませんでした。男性たちが恋に落ちる決定的な契機は、御簾の隙間から覗く袖口の「襲(かさね)の色目」のセンス、文(手紙)にしたためられた流麗な筆跡、そして何よりも和歌や漢詩を瞬時に引用して返答する「会話の機転(ウィット)」でした。

定子サロンにおける清少納言の知性は、まさに神懸かり的でした。定子から「香炉峰の雪いかならむ」と問われれば、言葉で答える代わりにすっと格子を上げて雪景色を見せてみせる(白楽天の詩の教養)。漢詩の心得がある藤原行成や藤原斉信、源経房といった一流の公達たちが、毎夜のように清少納言の部屋を訪れて夜通し語り明かしたのは、彼女の顔目当てではなく、「この女性と会話をすると知的好奇心が刺激されて最高に面白い」という圧倒的なエンターテインメント性があったからです。

大河ドラマ『光る君へ』の放送時、SNS上ではファーストサマーウイカさん演じるききょう(清少納言)に対し、「推し(定子)のために命を燃やす姿が美しすぎる」「顔の造形を超えた知性と愛のオーラに圧倒される」といった絶賛の声が相次ぎました。この視聴者の熱狂は、千年前の平安貴族たちが清少納言に対して抱いていた熱量と完全に一致しています。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。