授業の形式面だけでなく、指導法そのものにも抜本的なメスが入りました。改訂の中核をなす理念が「主体的・対話的で深い学び」です。かつての教員が黒板を背にして知識を一方的に講義する「チョーク&トーク」スタイルは、現在の教育現場では過去の遺物となりつつあります。
文部科学省が公表した小学校学習指導要領解説(各教科編)を精読すると、児童自身が問いを見出し、クラスメイトとの協働的な議論を通じて自分なりの解を導き出すプロセスの重要性が強調されています。たとえば算数では、公式を暗記して計算ドリルを解くだけにとどまらず、「なぜその計算手順が成り立つのか」を図や言葉を用いて説明し合うペアワークが日常化しました。理科や社会でも、タブレット端末を活用して自ら調べたデータをグループ内で共有・プレゼンする活動が標準化されています。
このアプローチの根底には、知識を詰め込むこと自体を目的にするのではなく、急速に変化する予測困難な社会を自力で切り拓く生きる力を育むという、一貫した国家戦略が存在します。子どもが「受け身の聞き手」から「能動的な探究者」へと立ち位置を変えることこそが、指導要領改訂が目指した核心です。