シングルスーツを嗜むビジネスパーソンが最も陥りやすい落とし穴が、椅子に座る際の動作です。シングルの場合は「座るときにボタンを外し、立ち上がるときに留める」のが正しいアンボタンマナーですが、ダブルスーツではこの常識が通用しません。
ダブルスーツは、「立っているときも座っているときも、常にボタンを留めておく」のが世界共通のドレスコードです。座った際にボタンを開けてしまうと、前述の通り左右の生地がだらしなく広がり、膝の上で無様に折れ曲がってしまいます。
ここで重要な役割を果たすのが、内側に隠された内ボタン(マガタメボタン)の留め方です。表側の合わせを留める前に、必ず内側のボタンを掛けて下前(内側の生地)を固定します。このひと手間によって胸元が浮かず、着席時にも美しいドレープと平らな胸板のシルエットが維持されます。着席時に窮屈さを感じる場合は、マナーの問題ではなく、そもそもスーツの身幅やアームホールのサイズ設計が体型に合っていない証拠です。