市販の梅肉エキスは高価なものが多く、中には水飴やリンゴ果汁でかさ増しされた製品も散見される。それに対し、完全無添加の純度100%エキスを安価に手元へストックできる点こそが自家製の最大のメリットだ。自らの手で丁寧にアクを抜き、熱を注ぎ込んだエキスには、工業製品では決して出せない力強い風味と安心感が宿る。
保存性に関しても梅肉エキスは群を抜いている。強烈な酸度(pH1〜2前後)と高濃度のクエン酸によって細菌の繁殖がほぼ完全に抑えられるため、適切に熱湯消毒した遮光ガラス瓶に密閉しておけば、常温の冷暗所で数年から10年近く品質を保つことができる。使う際は必ず乾いた清潔なスプーンやガラス棒を用い、水分や異物の混入を防ぐこと。これさえ守れば、毎年仕込むごとにヴィンテージワインのように深みを増す家庭の宝となる。