抹茶の役割は、喉の渇きを癒やしたり映える写真を撮影したりすることだけにとどまらない。ストレスフルな現代社会において、一杯の抹茶を点てる静寂の時間が「デジタルデトックス」や「マインドフルネス」の儀式として再評価されている。
静かな店内。茶碗に注がれる湯の音。茶筅が立てる微かな泡立ちの音。スマホをポケットにしまい、目の前の一杯に集中する数分間。都市の若者たちが求めているのは、カフェインによる覚醒効果と同時に得られる、L-テアニンがもたらす深いリラックス感だ。喧騒から逃れるための「現代の茶室」が、都市のあちこちに生まれつつある。