近年のキャラクターシーンにおける最大の地殻変動といえば、イラストレーター・ナガノ氏の手掛ける『ちいかわ』に登場する「うさぎ」の存在感を挙げないわけにはいかない。「ヤハ」「ウラ」「フゥン」といった奇声を発しながら、圧倒的な身体能力と無邪気な狂気で画面を縦横無尽に駆け巡る姿は、従来の「可憐で守ってあげたい」うさぎ像を根底から覆した。
ファン層は子どもにとどまらない。むしろ日々社会の不条理に直面する20代〜40代の大人たちが、その圧倒的な自由さと強さに熱狂している。言葉を持たずとも感情を炸裂させるスタイリッシュなカオスは、SNSでの短尺動画時代と見事なシナジーを生み、単なる「癒やし」を超えた快感として消費されているのだ。