この一連の大胆な動きの背景には、皇太子ムハンマド・ビン・サルマーンが強力に推進する国家改革指針「ビジョン2030」が存在する。石油依存からの脱却を掲げるこの国家戦略において、エンターテインメント分野は単なる観光誘致の手段ではなく、若年層の雇用創出とソフトパワー外交の絶対的な中核と位置付けられている。
その実動部隊として圧倒的な存在感を放つのが、総資産1兆ドルに迫るサウジアラビア公共投資基金(PIF)だ。潤沢な国富を背景に、世界中のグローバル企業へ凄まじいペースで直接投資を敢行。文化コンテンツを経済構造改革の強力な「エンジン」に変えようとする皇太子の思惑は、着実に現実の形を取り始めている。