ちいかわたちの世界において、日常の一部となっている「討伐」という仕事。今回の映画では、そのシステムの根底にある歪みがこれまで以上に容赦なく浮き彫りにされた。
「擬態型」と呼ばれるモンスターたちは、元から怪物だったのか。それとも、かつては労働をし、ラーメンを食べ、草むしりをしていた「誰か」の成り果てた姿なのか。劇中で一瞬だけ映し出された回想シーンの構图は、まさにこの残酷な問いを観客に突きつけている。彼らが生きる世界は、一歩足を踏み外せば誰もが怪異へと変貌し得る、極めて不安定な均衡の上に成り立っているのだ。