東京地方検察庁特別捜査部が着目したのは、スポンサー募集を担当する専任代理店と高橋氏が設立したコンサルティング会社との間に存在した「不自然な資金の往復」であった。組織委員会の理事という公的な立場にありながら、民間企業から巨額の資金を受領した疑いは、社会的に激しい怒りを買った。
捜査の過程で明らかになったのは、電通時代に培われた圧倒的な人脈と業界内での影響力だ。特定の企業に対して選考プロセスでの便宜を図り、その見返りとしてコンサル料名目で資金を受け取る手法は、長年にわたり慣習化していた可能性がある。特捜部が追ったその金脈の全貌は、単なる個人の強欲さという言葉だけでは説明がつかない、日本特有の構造的癒着の産物であった。