『すずらん』の撮影現場は、想像を絶する過酷さだった。1800人以上の応募者の中からヒロインに抜擢された遠野なぎこは、マイナス数十度に達する厳冬期の北海道ロケに果敢に挑んだ。極寒の中で指先の感覚が失われようとも、カメラが回れば一瞬で表情を作り、過酷な感情表現を要求されるシーンでもNGを出さないプロ意識を見せた。
現場のスタッフによれば、彼女は目薬に頼ることなく、役柄の悲しみと一体化して自然と涙を流していたという。可憐な外見の裏に秘められた並々ならぬ女優魂と徹底した役作りは、現場の共演者や大物ベテラン俳優たちをも唸らせた。知られざる撮影の裏側を知ることで、彼女の映像世界はより深い味わいをもって迫ってくる。