自主映画の金字塔となった映画『へんげ』の躍進は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭での熱狂的な評価から幕を開けた。北の大地で見出された才能は、瞬く間に海外のファンタスティック映画祭を席巻。低予算インディーズであっても、圧倒的なアイデアと技術があれば世界と戦えることを証明した。
この成功は日本映画産業の商業ラインにも確固たる衝撃を与えた。大畑監督をはじめとするスタッフ陣が後に東映などのメジャースタジオ制作作品や特撮シリーズ、商業ホラーへと起用されていった流れは、インディペンデントと商業映画の幸福な架け橋となった事例として特筆に値する。硬直化しがちな製作委員会システムの外側から登場した異端の才能が、業界全体の血行を良くし、新たな表現領域を切り拓いていった足跡は今なお重い意義を持つ。