目の周囲に発生する丘疹(ブツブツ)は、外見が似通っていても発生メカニズムや皮膚の深さが全く異なります。日本皮膚科学会の臨床現場でも頻繁に診られる代表的な5つの疾患を整理しました。
鏡を近づけて観察した際、「白くて硬い小さな球状の粒」に見える場合、その多くは稗粒腫(はいりゅうしゅ/ミリア)です。毛穴の奥や未発達な皮脂腺に古い角質(ケラチン)が袋状に溜まったものであり、俗に言われる「脂肪のかたまり」ではありません。老若男女問わず発生し、摩擦刺激や肌のターンオーバーの乱れが引き金となります。
一方、目の下を中心に「皮膚と同色〜やや黄褐色で、平らに盛り上がったイボ状の凹凸」が多発している場合は、汗管腫(かんかんしゅ)が疑われます。これはエクリン汗腺の導管が増殖する良性の皮膚腫瘍で、特に成人女性に好発します。真皮層という皮膚の深い部分に病変があるため、表面を削るだけでは治りません。
さらに、目頭周辺に「黄色っぽい平らな斑状の盛り上がり」が生じる眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ)は、血液中のコレステロールを取り込んだマクロファージが集積したものです。脂質異常症(高脂血症)が基礎疾患に隠れているケースも多く、内科的な血液検査が必要となるサインでもあります。
その他、毛穴に皮脂が詰まった白ニキビ(閉鎖性面皰)や、ヒトパピローマウイルス感染による扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)、皮脂腺が肥大化する脂腺増殖症など、外見のわずかな差異で診断とアプローチが180度分かれます。