ネット上の料理解説では長年、「ゴーヤの苦味は白いワタにあるため、スプーンで緑の地肌が見えるまでガリガリと削り取らなければならない」という説が定説のように語られてきました。しかし、これは農研機構などの食品分析研究によって明確に否定されている代表的な誤解です。
実際には、苦味物質モモルデシンが最も高濃度で含まれているのは「外側の濃い緑色のイボ(果皮)」であり、白いワタ自体の苦味は果皮の1/10以下しかありません。ワタを過剰に削りすぎると実の厚みが失われ、佃煮にした際にシャキシャキとした食感が消えてフニャフニャになってしまいます。スプーンで種と柔らかい繊維をサッと撫でる程度に取り除くだけで十分です。
また、塩もみ後の「水洗いの有無」についても誤解があります。塩もみした後に水洗いしてしまうと、細胞内に余分な水分が入り込み、煮詰める時間が2倍近く伸びてしまいます。塩もみしたゴーヤは水洗いせず、そのまま熱湯に潜らせてから絞るのが、調味料の味をボケさせないプロのテクニックです。