ダムの貯水機能を根本から支えているのが、後背地に広がる丹沢山地の水源林です。森林は「緑のダム」とも呼ばれ、雨水を地中に蓄えてゆっくりと川へ送り出す保水機能や、土砂の流出を防ぐ重要な役割を担っています。
しかし、近年の丹沢エリアでは野生ジカの食害による下層植生の消失や、スギ・ヒノキ人工林の手入れ不足に伴う土壌流出が深刻な環境問題として顕在化しています。土砂がダム湖に過剰に流れ込むと有効貯水容量が圧迫されるため、神奈川県では全国に先駆けて「かながわ水源環境保全税」を導入し、間伐や植樹、シカ防護柵の設置といった水源林の再生プロジェクトを長期にわたり継続しています。
【プロの結論】水源地を訪れる際のおすすめ基準と心構え
ダムや水源地周辺の観光・見学を検討している方に向けて、現場の特性を踏まえた判断基準をまとめました。
おすすめできる人:
- 迫力ある自然とインフラの融合を体感したい人:宮ヶ瀬ダムの観光放流や丹沢湖の紅葉など、季節ごとの雄大な景観をダイナミックに楽しめます。
- 子どもの防災教育・環境学習を兼ねたいファミリー:水がどのように家庭へ届くのか、現地の水とエネルギー館などで体系的に学べます。
注意・慎重になるべき人:
- 荒天時や台風直後に訪問を考えている人:水源地周辺は急峻な山岳道路が多く、大雨直後は落石や土砂崩水による通行止め、急激な放流リスクがあるため回避が賢明です。
- 公共交通機関のみでタイトなスケジュールを組んでいる人:運行本数が限られている路線バスも多いため、事前リサーチなしの突発的な訪問は推奨できません。