新海誠監督の故郷である長野県。彼が少年時代に仰ぎ見た信州の澄み切った空と、広大な水面を讃える諏訪湖の風景が、劇中の架空の町「糸守町」の核心的なモチーフとなったことはファンの間では有名な事実だ。
作中では飛騨地方の山深き地理的設定と、諏訪湖の円形に近い雄大な水面が見事に融合している。実在する諏訪湖は周囲約16キロメートルに及ぶ広大な断層湖であり、周囲を360度山々に囲まれたその地形は、まさにスクリーンで目にしたあの美しいカルデラ湖の佇まいそのものだ。湖畔に立つと、どこからか作中のせつないメロディが聞こえてくるかのような錯覚さえ覚える。